認知症を予防するには早期発見が大事

認知症を予防するには早期発見が大事

認知症の種類と、その特徴について

最近、認知症という言葉を聞く機会が増えました。テレビの番組でも特集が組まれたり、知り合いのお父さんが認知症であるとか、お母さん、おじいちゃんが認知症などと日常的に会話の中に出てくることも増えたように思います。実際に、65歳以上で発症している人の数は年々増加傾向で、この先ますます増えると言われています。50代前半で発症する例も多く見られ、その後何十年もパートナーや子供、親族が面倒を見るといったケースも存在しています。発症当時は、患者本人もだんだん忘れていく恐怖などを感じますが、症状が進行しきってしまうとそのような恐怖はなくなる一方、面倒を見る側の負担が大きくなります。

一般的に広く知られているものはアルツハイマー型というものですが、実は認知症にも種類があります。主なものとして、アルツハイマー型、脳血管型、レビー小体型、前頭側頭型の4つに分類されています。アルツハイマー型は、だんだんと物覚えが悪くなってくるような症状が出ます。中には怒りっぽくなる、暴れるなどの感情が抑えられなくなるといった症状が出る人もいます。判断能力も衰えてくるので、掃除をする手順がわからない、料理の時に使う調味料がわからず料理ができなくなる、においや暑さなどの感覚も鈍感になるため、ゴミを放置し続けたり、夏なのに長そで長ズボンで生活するなどの異変も見られます。

最終的には家の場所がわからなくなって迷子になってしまったり、自分の家はここではないと徘徊してしまったり、家の中のトイレなどの場所がわからなくなって失禁してしまうなどの症状も強くなってきます。認知症の中で一番患者数が多く、男性よりも女性の患者が多いです。他の3つの型よりも、年々増加傾向にあると報告されています。特殊なたんぱく質が神経細胞を破壊することが原因で、徐々に脳が委縮していき、症状が進行していきます。身体的な機能も徐々に低下していきます。脳血管型は、脳血管が詰まるなどの病気によって神経細胞が死んでしまうことによって起こります。男性に多い認知症で症状は一進一退を繰り返します。

ぼんやりしている時としっかりしている時など、まだらに症状が出るのも特徴の1つです。自分が認知症であると理解している人が多いため、対応には十分な配慮が必要です。レビー小体型は、認知症の中でも少し変わった初期症状が見られます。通常の場合物忘れが目立つようになるのですが、レビー型の場合は幻視が見えるようになります。家の中に知らない人がたくさん入ってきた、小さな子供が遊んでいる、小動物が見えるなどといった発言をした場合、レビー型を疑って受診することをおすすめします。

また、ほとんどの場合パーキンソン病を併発するので、転倒して骨折し、寝たきりになってしまうことも少なくありません。早めに家のバリアフリー化を進める必要が出てきます。前頭側頭型は、その名前の通り前頭葉や側頭葉が委縮して起こります。若い人でも発症することがあります。物忘れは酷くありませんが、常識外れの行動を取るようになります。同じ行動を繰り返す、反社会的な行動をする、異常な食欲を見せるなどの症状が出るため、精神疾患と間違われることも度々あります。

 

予防と早期発見の重要性について

どのタイプのものでも、早期発見が重要です。それぞれ初期症状が異なるため、発見が難しい面はありますが、早期に見つけることで治療可能なものもあります。専用の薬を服用することで症状の進行が緩やかになることもあります。レビー型の場合、幻視などの症状を押さえる薬を服用するとパーキンソン症状が進行してしまうなど、バランスを取って服用することが大事ですし、どのタイプかによって服用方法も変わってきます。ネットには様々な情報が溢れていますが、主治医の判断に従って服用するようにしましょう。また、医師によって見解が分かれているようなこともあり、本当にこれでいいのかと迷った時は他の医師の意見を聞いてみるのも良いかもしれません。

セカンドオピニオン制度を利用しましょう。患者本人もつらい病気ではありますが、何よりも患者の家族は正常な判断ができる分、非常に負担がかかります。今までできていたことがどうしてできなくなってしまうのだろうと、頭ではわかっていても感情が追いつかないという状態になります。どうしても苛立ちが募り、大きな声で怒ってしまったりすることが増えてくると思います。そうすると患者もパニックを起こしたり、症状が悪化することが増えてきて悪循環に陥ってしまいます。最悪の場合、看病している側がうつ病を発症してしまうといった例も珍しくありません。そんな時は無理をせずにデイケアや地域の力を借りてみましょう。

1人で介護するにはあまりにも負担がかかりすぎる病気です。余裕が出てくれば患者への接し方も変わってきて、良好な関係が築けるようになります。一人で抱え込んではいけません。同じような思いで毎日看病している人たちのコミュニティーなどに参加して情報交換をしたり、お互いの気持ちを話すだけで救われることもありますので、そういった場に足を運んでみるのも良いと思います。最近はテレビなどで予防方法を紹介していることがあります。やはり一番効果があるのは人とコミュニケーションを取ることです。一人暮らしのお年寄りなどは、1日誰とも会話をしないことも多々あります。

積極的に地域の催しものに出かけてみたり、趣味を楽しんだり、ジムのような場所で体を動かしたりすることが、結果的に脳を活性化させることに繋がります。1日中椅子に座っている人は発症のリスクが上がるといったデータもあります。定期的にストレッチをしたり、体を動かす機会を設けましょう。頭の体操になるパズルなどを毎日少しやってみるのも良いと思います。お年寄りの近くにいる人が定期的に様子を見て、何かおかしいなと思ったら病院に早めに連れて行くことも重要です。

最近はご近所付き合いをしない人が増えていますが、いざという時のために、ご近所の人に何か異常があったら知らせてもらうように頼んだり、いろいろと様子を見てもらえる環境作りもしておいた方が良いでしょう。高齢化社会で、この先ますます患者が増えることが予想されます。予防と早期発見で、少しでも発症する人を減らしましょう。